当店の豚足料理への想いと使命
台湾の謝さんの煮込み豚足と運命の出会い
私の豚足は、台北の豚足料理店『富覇王フーパーワン』の店主、謝さんから教わったものです。謝さんが豚足の話をするときにたびたび出てくる言葉があります。
それは、「スピリット(精神・情熱)」という言葉です。
「豚足をつくる上で何が最も大切なのか ―― それはスピリット」だと。
謝さんは三十年以上、寸胴鍋の前で豚足に打ち込み、その調理レシピを確立させ、さらに改良に取り組み続けています。豚足に関しては、世界でも何本かの指に入るのではないかという人物です。
その人が言うのです。「レシピ、手順通りに作ることはたしかに大切です。
しかし、何より大切なことは、本気で豚足に打ち込む、向き合う、追求し続けるスピリットなのです」と。
この言葉を聞いたとき、私は心の奥から何かがこみ上げてくるのを感じました。
何と表現していいかわかりませんが、心のどこかで求めていた本物に出会った感動というか、とにかく心が揺さぶられて仕方がないのです。
同時に、この仕事は自分の人生をかける価値がある仕事だと確信しました。